アーサおじさんのデジタルエッセイ68

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第68話 コンステレーション


 七夕の夜は晴れていた。彦星と織姫は会えたらしい。
しかし、別に心配することはない。

雨の日でも飛行機で飛び立ち、上空に雲を抜けると、「あっ」と言うほど晴天である。
さきほどの気分を憂鬱にさせた雨雲ははるか足元に濁流の如く広がっていて、こちらは太陽が降り注いでいる。

そして天の川も星ぼしもまだまだずっと上空である。
そうか、年中デートが出来る晴天だったんだ。というわけである。
ところで、年中、星座の位置関係は同じだから、彼等が7月7日にだけ会える、というものでもない。

コンステレーション


いつも距離は一定なのだった。

地上から見る星座の形は、星ぼしの相対的な関係でしかなくて、立体的にはものすご〜く離れていたりする。
ほんとうに、ほんとうに何億光年も離れていたりする。

深層心理学では心の星座のことをコンステレーション(布置)と言う。
実は関係ないもの同士を、自分の視点によってある像を結んでしまうことである。

ほんのちょっと横に逸れたら、そこには何にも像がない。でもそれに気付くことなく信じてしまう。

人生には恋や幻のような、いろいろなものが存在しているのである。

 
             ◎ノノ◎。 
             (・●・)。
 

     「 さあ、一雨くるかなあ!」 2001年8月12日更新


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