アーサおじさんのデジタルエッセイ59

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第59話 フランク・ロイド・ライト


今住んでいる敷地に、ひとの住んでいないお屋敷がある。
車寄せもある建築で、あの帝国ホテルの以前の建物を設計した、20世紀の建築家、アメリカのフランク・ロイド・ライトが、帝国ホテル設計のために下見に来た時、林 愛作氏に依頼されて設計したものである(そうだ)。
今は、見学者が来ても開けない。しかし清掃中で開いていたので、中を見せてもらった。ひんやりとした木質の板敷きが光る。
ガラスは鉛ガラスであり、もう作れない。大きなマントルピースもある。


ところで、玄関先には2体の獅子が鎮座しているが、良く見ると変だ。
片方が90度、外側に向いているではないか。管理人に尋ねると、じーっと見て「あ、ほんとうだ。気が付かなかった!」という。
獅子の向いている方向には高い樹木がある?他に異変があるか?
暫くシャーロックホームズになる。

そばに下水蓋がある。
その下水工事せいで、どうもずらしたらしい。
そして、そのまま。拍子が抜けてて、いい。
そう言えば、中の立派なテーブルには、白い熱変色の跡がある。「変だ」と思ったが、しばらく野球部の打ち上げなどの宴会に使われていて、その時、熱い薬缶を置いたのではないか。
厳格な由来と、市井の馬鹿さ加減が折り重なっている。
そのぶん、やさしい空間となっている。
誰か立派な名誉教授がドラえもんのケータイストラップを付けているような、優しさかな。

           ◎ノノ◎ 
            (・●・)

  「 また、お会いしましょう」 2001年5月27日更新


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