アーサおじさんのデジタルエッセイ56

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第56話 トロ、マグロ


「トロ、マグロ」とスペイン語で言えば、"痩せた雄牛"ということになる。
「マグーゥロ」とグのところを、強く言う。
「バカ」「アホ」と言えば、"雌牛""ニンニク"か。
「マンテキジャ」は肥満敵じゃと言う訳で"バター"。
「イエルバ」は「癒える葉」で"ハーブ"。
鍋の"ふた"は、丸みたい、で「マルミタ」。
"胸"は「ペチャ」。姉口説いた?
"逸話"は、「アネクドータ」。
ゲリラは「下痢―じゃ」。
戦士は「下郎等」。

と、まあ、相変わらず不純な言語学的努力をしているのがご理解いただけるでしょう。

ところで、いま寿司屋の本マグロのうち養殖で6000トンが地中海からの輸入である。

そのうち5500トンほどが、スペインのカタルヘナでの養殖だそうだ。(朝日新聞4・20)
スペインを正方形に書くと、カタルヘナはその右下の角付近になる。
人口17万人。ここにマルハや三井物産など日本企業7社が「マグロ」に関わっている。

もう地中海はマグロの養殖バブルで、クロアチア、リビア、チュニジアなどに広がっている。


大西洋から回遊してきた本マグロの成魚を捕えて3〜6ヶ月で、食べさせ太らせ、全身をトロに仕上げる。
どうなってるんだろう。
まるで霜降りの"松坂牛"の生産過程のようだ。
このマグロの大きいのは体重300キロもある。

ところで、ヨーロッパはいま牛肉が口蹄疫と狂牛病で打撃を受け、大変なことになっている。
パワーショベルで遺体を集め、焼く煙で大気が汚染されている。
皮製品すら減り始めているという。

安全な魚は流行るかもしれない。
「トロ、マグロ」とスペイン語で言えば、そのうち"とろ・まぐろ"ということになるのだろうか。


             ◎ノノ◎。
             (・●・)。


    「 Hasta la vista amigos!」  2001年5月1日更新


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