アーサーおじさんのデジタルエッセイ49

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第49話 プリマヴェーラ


「春が来た」と感じますか?それはどんなところですか?

パソコンの暖房と一緒にオフィスにいる我々は、春風の冷たさのほうが気になります。

といっても、紅梅を見つけたりすると、春を感じるのでしょうか?春を探しに上野公園に行って来ました(―なんちゃって)。池のほとりには、沢山の水鳥が集まっています。

鴨、カモメ、羽根の色、形、大きさ、本当にバリエーションが豊かです。

顔の黒い奴、目の赤い奴、真っ白の奴。ぶう、ぶう、とか、ぴゃおー、ぴゃおー、とか鳴き声も様々です。並んだ棒杭の上にカモメが休んで列をなしています。

かたや、国立博物館側の広場にも大勢の人間が集まって列を作っています。

平和で嬉しそうです。近づくと、男性ばかりです。人垣の中央では音楽が演奏されており、十字架の看板が立っています。


スピーカーでは「来週は水曜日でーす。お間違えのないように…」と流れ、食器を持った人達の列が少しずつ動いています。

20年前、学生だった頃、この辺りにはこんな光景は無かった。

東京芸大の周辺は今、青いテント村になり、暮らしているのは一体、何百人なのか分からないほどです。もう一度聞きます。

「春が来た」と感じますか?それはどんなところですか?本当は春は「情報」ではなくて、肌で感じる「生理」なのです。紅梅にも、水鳥にも、テントの彼らにも。


            ◎ノノ◎。 
            (・●・)。

         「タイトル変えました」 2001年3月11日更新


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