アーサーおじさんのデジタルエッセイ440

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第440 タイムマシンと清原選手


 清原選手の話題とともにその著書などが書店に並んでいる。
坊主頭ですごい顔をしているが、選手になった頃はかわいい学生の顔であっただろう。
そういう20年ほど前には、私はプロ野球のことをぜんぜん知らずに生きていた。
ちょっと、記憶のVTRを回してみると私は博多の東急ホテルで朝から珈琲を飲んでいる。
ここは西武ライオンズの定宿である。
せっかく空いていて気持ちのいいカフェに、ドカドカと、でかい人びとが入ってきて私の周りに座り込んだ。
本を読んでいた私は「うるさいなあ」と思いながらやり過ごす。
どうも野球選手らしい。
「Excuse me, here OK?」向かいに黒人が相席を求めた。
私は頷いて再び読書を続けている。
どうも選手に取り囲まれている。

誰かが「きよはら!」と叫ぶと「はあい」と応えて立ち上がる者がいる。
わたしは聞いたことのある名前だなあ、と考える。そうしてやがて選手達は去っていく。
周囲に押しかけていた女学生も消えている。
また静かになる。タイムマシンに乗った今の私から、声を掛けてみる。
おいおい、有名人に取り囲まれていたんだぞ、よく見てみろよ。
しかし当時の私は読書を続けている。
ウェイトレスが来て珈琲のおかわりをくれる。
まだ、パソコンがオフィスに登場していない時代であった。
  

             ◎ノノ◎
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2009年3月13日更新


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