アーサーおじさんのデジタルエッセイ326

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第326 暑いということ


 暑いということは、西瓜がぱーん!と破裂するということ。
だいたいあんな大きな果物があるのが不思議だ。
それも厚い皮の中には大量の水が含まれている。
様々な工夫を凝らした水筒の役割がある。
よく蒸発しないものだし、腐らないものだ。
相当に緻密なメカニズムとシステムがないとあんなボールは存在しない。
それはもちろん細胞レベルの複雑な構造だ。
おまけに縞の模様までついている。分かり易い図柄である。
 割れると中身は血のように赤い。赤と緑。
これはクリスマスのツートンカラーではないか。
いろいろと派手である。

 果物の中でも西瓜を愛したのはフリーダ・カーロであったのを思い出した。
メキシコの西瓜。
これはラグビーボールみたいな楕円形かもしれない。
彼女は小さな破壊されたような体で、情熱的に恋をし、命を燃やした。
メキシコの大地を愛し、トロッキーなど数々の西洋人の中にあっても、民族衣装と民族的なメイクを崩さなかった。
彼女の体は数十回の手術で縫い目だらけだったが、その中は情熱的な赤い血がほとばしっていた訳だ。
残酷に引き裂かれたその生命の内側を見せてくれるのが彼女の絵であった。
                

             ◎ノノ◎   
             (・●・)。

         「また、お会いしましょ」 2006年8月27日更新


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