アーサーおじさんのデジタルエッセイ309
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む 出くわした単語を、一語一語ずつなんとか覚えようとするのが苦しい。
聞いたこともない言葉はどうしたらいい?
【ansiosoは「心配そうな」という意味、『安心襲う』と覚えよう。
almacenは「倉庫」で『あるません』だ。
tiroidesは甲状腺だから、甲状腺は『白いです』かな。
astigmatismoは「乱視」、これは『明日、血熊死すも』と覚えようか、でもなんで?】(西語) こうやって、無理やり覚える単語の記憶は、辛い記憶に似ている。
つまりPTSD(心的外傷後ストレス障害)である。
自分で心的外傷を作るのである。
のっぺりとつるつるしている無垢な毎日の無意識的自己に、小さなナイフで刻みを入れる。
ネイティブなら、日常の出来事とセットで覚えることを、人工的に操作するわけだ。
そうして遠いいつの日か、なんだったっけ?あ、あれだ、と出くわした単語について思い出す。
語学学習とはこうやって悲しいPTSDの作業を繰り返すことだ。
ときどき“痛くて”いやになる。
ふぃーっ、夢に単語の音声が出てくる。
なんだっけ?夢の中でも思い出そうとする。
「また、お会いしましょ」 2006年4月8日更新