アーサおじさんのデジタルエッセイ281

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第281 やきとりエレベーター


近代的なオフィスには近代的なエレベーターがある。

大きな扉がフワッと開くと、すでに中には人が一杯である。

しかもしばしば女性ばかりである。

最近、女性は洗いたてのシャギー・ヘアで栗色。

腕はノースリーブで胸も背中も開いている。

そこに乗り込めば、身動きがとれない。

息が出来ない。髪や化粧品の香料が膨らんで鼻腔にとどく。

混んでくればどうしても肌色の腕・肩に触れる。

見下ろせば、首、背中、胸、ばかり。

柔らかな肌色の箱に押し込められた気がする。

悪気がなくとも、傍から見れば「背広ネコと、香り立つカツオ節」状態である。

そういったエレベーターの扉が開いた瞬間、並んだ女性で連想するもの。

それは焼き鳥屋で、えい、お待ち!と湯気の上がる“ネギマ”や“つくね”を、バサッと皿に盛られた時の印象である。

食べたくない時でもそうである。

ふう、不思議なオフィス生活である。


             ◎ノノ◎   
             (・●・) 

         「また、お会いしましょ」 2005年9月23日更新


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