アーサおじさんのデジタルエッセイ244

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第244話 哲学者のひるめし


社員食堂に早めに行った。

お昼のラッシュ時を避けて、早メシを好む者も多い。

多いといっても、現場で見ればチラホラである。

その中に、大勢が座れる曲線の大テーブルがあるのだが、そこに一人、ポツンと食べている外国系の社員が見えた。

それは、ドイツあたりの哲学者の風貌である。

ピンク色の膚と頭。鋭い細い眼光。

頭はきれいに禿げていて、代わりに真っ白く長ーいアゴ髭が。

年齢も90歳くらいに見える。

食事が済むと、のんびりと食べている私の前をトレーを握って通り過ぎて行った。

ちょっと孤独風であるが、我々とべちゃべちゃ喋るよりも、その孤独を好むのであろう。

どの国の人だろう?などと深く考えることもない。

プロファイリングすればすぐ判る。

だいたいこの会社で働いている人は、英語を使うに決まっているのである。

スペイン語やドイツ語などいない。(今は中国語、韓国語のスタッフは、まあ居る。)

だから彼はネイティブの英語圏の人であろう。

年齢は50〜60である。

しかし、意外に若いかもしれない。

外国系で定年近い人が居そうにはないのだ。

しかし、何か意志の断絶を感じるのを禁じえない。

どこに住んでいるのか?

白金か広尾か高輪か?

読めない文字の歯磨き粉とか、サプリメントとか飲んでいるのだろうか?

子供に人差し指を突き付け、眉根に皺を寄せて、ノー!とか叱っているのだろうか。

独身かもしれない。

レオナルド・ダ・ヴィンチみたいに生涯独身か。

週末にはカウンセラーにかかっているのだろうか。

そう、要するにインテリ風で、幕末の渡来外国人みたいで、ショーン・コネリーみたいでちょっとかっこよかったんだ。



             ◎ノノ◎   

             (^●^)

         「また、お会いしましょ」 2004年12月26日更新


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