アーサおじさんのデジタルエッセイ243

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第243話 「ペットはひとりにしないでください」


実は、ストレスが溜まっていた。

毎日が忙しいというほどではないのにどうしたことだろう。

今はあんまり自分の思うようになっていないということなのかも知れない。

しかし、まあ、この人生、いくらかは渡ってきた自信はある。

ということは、こんな状況を克服する術(すべ)を持っているということである。

で、突然に午後半休を申請して、背広・バッグ持参で家とは反対の方向に出掛けた。

東京湾の果て、夢の島にある熱帯植物園である。

前から気になっていた場所。

宿題を済ませる事によるストレス発散である。

排気ガスに包まれた駅前のラーメン屋で当地の勤め人と並んで味噌ラーメンを食べる。

そして大型トラックの走る自動車道路沿いに歩いて目的地へ。

公園の敷地に入るとひと気がなくなる。

静かである。

ここはゴミ処理施設の焼却熱を利用して植物園が管理されている。

運動施設にはまばらに人が走っていた。

力のない太陽が赤く照っているベンチ。

休む人が数人。

植物園のガラスの構造物が見えてくる。

公園の出入り口に札が設置してある。

犬の絵があって、「ペットはひとりにしないでください」という文字がある。

通り過ぎてかなんか変だなと思い、戻って確認する。

これは「犬を放すべからず」という意味なんだろうか?

「ひとり」は漢字にすると「一人」になるから妙だ。

広い陸上トラックで夕日を浴びる「ひとりぼっち」の犬を想像して楽しくもある。



             ◎ノノ◎   
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2004年12月19日更新


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