アーサーおじさんのデジタルエッセイ205
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む太平洋にぐっと飛び出している伊豆半島。左側の海岸線から後ろを振り返ると、青い海ごしに富士山の姿がよく見える。
青木が原の樹海は左後ろになるので見えないが、裾野の町々も沼津港も一望である。
「富士はニッポンいちのやま〜」と歌う歌がある。なにを言いたいんだ?この国際化の時代には合わないなあ。
実は世界一の内容もある。この火山の形は奇跡的な円錐形である。
世界の高山なんて、たいてい山奥にあってゴツゴツしている。
こんなに市街地からいきなり立ち上がっている巨大な山なんてないじゃないか。
現在の富士は、原型になる火山が二個あったので、それを踏み台にあの高さまでのし上がったのだ。
それから「溶岩樹形」というのがある。
流れ出す溶岩が、広い森を埋め尽くした時に、大木を溶岩の中に取り込んで固まる。
木は溶解して空洞となる。かくて樹海にもどこにも、何千個もの真っ直ぐな穴が空いている。
この「溶岩樹形」は世界の十分の一がここにあると言われる。とまあ、こんなことを知っても、何か富士山の定義が変わるわけではないだろう。
僕らは火山学者じゃないものね。
どうもあの富士山の印象をうまく説明することばがない。
しかし、朝のコーヒーを買うフランスパン屋さんのRさんに、伊豆から富士山が見えたと話したら、「富士山を見ると、元気になりますよね!」と応えてくれた。
ふうん。これはかなり正確な定義(?)だなあ。
「溶岩樹形」も負けるなあ。ありがとう。
「また、お会いしましょ」 2004年3月21日更新