アーサーおじさんのデジタルエッセイ161

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第161話 ウォーキング


休日はウォーキングをしている。

このごろは地図を開いて、なんらかの目的を設定することが多い。

私の区の地図を見ると、緩んだ緑色の紐のようにあちこちに沢山の「緑道」がある。

かつて田んぼばかりだった頃の、灌漑用水路の名残を整備したものである。

これを歩くだけでもいろんな場所にたどり着くので面白い。これを暫くやっていたら、それとは逆の目標を発見した。

地図の左側に斜めに真っ直ぐ走る、細い一本の特殊な道路を発見した。起点は浄水処理施設である。

ここから地図の端まで一直線。隣の区へと消えている。見ると「水道道路」とある。

いつか、この浄水処理施設を出発点にして、歩いてみたいというプランが生まれた。

連休のある日。「実行」に移した。まず、4つ先の最寄の駅まで電車で行った。

その駅から3〜4キロ歩くと、その起点に到着するからだ。

途中は菜の花の咲く土手と川を見ながらの田舎道である。

工事中の橋の脇に仮橋がある。

そこを渡ろうとすると、ヘルメットを被った通行整理の若い警備員がチラシを持って近づいて来た。

なんだろう、と思うと「明日から仮橋が変わりますので、ご協力お願いします」と言って、『通行利用の皆様へお詫びとご協力のお願い』というA4の紙をくれた。

思わず、私は“初めてで、しかも今日限りの通行”ですがと、言いそうになったが、彼の行動に水を差すように感じ、「あ、分かりました」と受け取った。

さほど人が通る道でもない。

暑い中を仕事をしているのだから小さな達成感も重要である。

私の方も「住人」の顔をして過ごすのも悪くない。

こんな調子で書いていると長くなるが、実は、この駅から1キロ程歩いたところで、お腹が痛くなってトイレに行きたくなったのだった。

不幸にもこの先、もうファミレスも公園もなさそうだ。

考えたあげく、せっかく歩いた道を駅まで引き返し、デパートへ入ることにした。ここで「ある出来事」が起きた。

そして結局1〜2時間をそこでつぶすことになってしまった。

そのせいでさっきの橋を通過するのも随分遅くなった。

それで水道道路については、結局、地図の端まで行くことは出来ず、途中で夕方を迎えてしまった。

その「ある出来事」とは「プーさん」に関すること。

 つづく。


             ◎ノノ◎
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2003年5月18日更新


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