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第11話 こんにゃく美術館


 東武美術館に「ホノルル美術館展」を見に行った。傘とカバンを預けて手ぶらにした。人が塊になっているところは避け、人垣に隙間が出来たところの絵を鑑賞する。全部は見ない。

 見たい絵を探してそれに集中するのが良い。中央のソファが空いていればそこに座り、見まわして遠くから眺める。絵は本当は遠くから見るもの。近視眼で見るものではない。モネの「睡蓮」以外名作は無いのだけれど、"ホノルル"がなにを集めたかに興味があり出かけた。

 美術館に来る女性には美女がいる。 小品に顔を近づけた時、隣に女性が立ち、僕と並んだ。オードリー・ヘプバーンが化粧を落とした時のように小柄で清楚な女性。僕には、正面の絵が見えなくなる。

オードリー・ヘプバーンの写真がなくてすみません。かわりといっちゃなんですが

 まずい、2〜3点でこの状況を離れることにする。美術館で横を向いていたら変。その人のほっそりとしたカジュアルファッションの後姿など遠くから眺める。

 <絵がお好きですか?><見れば分かるでしょ!>。<この絵はフランドル派の影響が見られますね><ハァ?>。<お茶でも飲みながら話しませんか?><きゃっ、おじさんストーカー>…。と、なかなかいいシナリオは成立しない。

 ボクはもう20代の青年でもないし。まじめに「絵」を眺めることにしよう。タイトルの「こんにゃく」は、これには関係ないが、別の機会に説明しよう。長くなったから。


             ◎ノノ◎
            (・●・)

「がんばってるかい、イエイ」 2000年5月24日


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