温泉日記36 尻焼温泉 平成14年6月2日更新

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温泉日記36 尻焼温泉 関晴館別館 平成14年4月21日、22日

温泉の三要素:1.湧出量:(毎分)1270リットル。2.泉質:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物泉ph7.0〜7.8 3.泉温:55.0度

関晴館別館正面玄関
200m上流に野天風呂がある


全国の温泉場には夏油温泉(げとうおんせん)、鉄輪温泉(かんなわおんせん)など珍名、奇名が多い。尻焼温泉もそのひとつ。

 白砂川及びその支流の長笹川沿いには秘湯が多く、群馬の秘湯銀座といわれている。尻焼温泉は花敷温泉から長笹川に沿って800m上流にある温泉場である。川底から熱い湯が湧出し、川全体が野天風呂になる川湯で有名。現在でも夏場は川湯を楽しむ家族づれや行楽のついでに一風呂という人々で賑っている。川のふちには小さな混浴の共同湯がある。

関晴館別館大浴場(婦人風呂)

 今回宿泊の関晴館(せきせいかん)別館は昭和元年創業(本館は花敷温泉にある)の老舗で、豊富な湯量と山間の宿特有の山菜料理(川魚料理)が売り物の秘湯の宿。

 風呂は内湯大浴場男女各1、露天風呂男女各1、家族風呂2の6つ。どれも掛け流し。夜8時から各風呂男女入れ替えなので、全ての風呂が楽しめる。大浴場、露天風呂とも充分な広さで20人〜25人はゆったり入れる。

 湯は透明。さらりとした感触、泉

温は41から42度。飲泉してみたら無味無臭で飲みやすい。

 

当日の宿泊客は7組15から16名ぐらいのため、どの風呂に入っても先客はいなかった。

 夕食は、きびごはん、吸い物、香の物(キュウリ、ナス)煮物(かぼちゃ、竹の子、ぜんまい、さといも)舞い茸のフライ、ワラビのおひたし、花豆・ウドの酢の物、鯉の洗い、鮎の塩焼き、山椒の漬物、キュウリとなめこの酢の物、茶碗蒸、グレープフルーツと盛りだくさん。

 どれも山の出湯(いでゆ)の素朴な味わいのある料理。

家族風呂

群馬県吾妻郡六合村入山1539電話0279−95−5121

入浴料金:500円時間:PM1:00〜PM4:30

宿泊:10000円、12000円

交通:JR吾妻線長野原・草津口から花敷温泉行きバスで花敷温泉下車、徒歩10分。

車:関越自動車道渋川・伊香保IC下車。R353,R145経由長野原・草津口を過ぎR292


昭和五年発行の「日本温泉案内」大日本雄弁会講談社によれば、「群馬県吾妻郡六合村(くにむら)入山にあり、花敷温泉の上流五六町の河原の中から湧出している。湯小屋と云うより寧ろ炭小屋と云った感じの、甚だ粗末な藁小屋があるばかり、地方の人が、各自自分で米、味噌、鍋、茶碗、それから小屋掛けの材料までを背負ってきて、四辺の山から木を切り出しなどして、小舎をかけ、藁や莚の上に寝て、自分で河原に湯を掘って這入り、四日なり五日なり身体を休めてから里へ帰って行く。全く原始的な湯治場である。」とある。

温泉作家 簾田彰夫 (★★★


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