アーサおじさんのデジタルエッセイ92

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第92話 生まれたての2歳の赤ちゃん


2月の後半、里山では、1月まで寒さの中で全く死んでいるかと思った木々に変化が現れている。

雪のまぶしさの間で、木々の芽がもっちりと吹いて、いまにも破裂しそうに固まっているのを発見することが出来る。その昔、この変化を古代人は「いのち=魂(たま)が来た」と考え、この季節を年ダマの降りてくる、新年とした。

しかし西暦の新年は、旧暦ではまだ真冬、死んでいる最中である。きらきらと太陽の強さが命を運ぶ季節こそ、「新年」にふさわしいのに。

また、それゆえに、新年に人は神から「歳」をもらうので、年をとるのだとして、1歳加えた。

誕生時に1歳、新年に1歳を加える。

12月31日生まれの赤ちゃんは、翌日に2歳と呼ばれた。

今年もお楽しみに!

村中の全員がお正月にひとつ年をとる。

簡単で分かり易い。「数えでいくつ?」と訊く時、迎えたお正月の数プラス1である。

昔の人は、誕生日を知らないでも年を数えられたのだ。これはこの国が農業国であるなごりだろう。

今は世界中が西暦に統一されてちょっと便利そうだけれど、カレンダーを見ても季節感についてはズレていて、嘘つきカレンダーになったようでいつも気になる。


             ◎ノノ◎
             (・●・)
              

    「今年も、楽しく過ごしましょ」2002年1月27日更新


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