アーサおじさんのデジタルエッセイ87
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む台所に根っこ付きで束になった30センチほどの大きな三つ葉がある。
それを根から10センチ程残して、さくっと切ってある。
その切った葉は、ある日、三つ葉の天ぷらで食卓に出た。
サクサクとしてとても良い歯応えである。
おいしかった。
そして数日すると、その白ねぎのような切り口から、新たな葉が伸びている。
もう10センチばかりの完全な緑色の三つ葉が生まれているのだ。
コップに水を入れて切花のようにしてあっただけなのに。
これまでも、ある人物がいなくなると、不毛と思っていた集団の中からとてつもない人物が生まれるのを見てきた。
「新世代」は不在から生まれる。
三つ葉もただ一様に見える細胞群から、必要な役割が切り出される。
ある細胞が緑の双葉に変わる。
そこにどんな謎と遺言があったのか?
こんな全体的なメカニズムをDNAというのだろうか。
誰にも、あるいは多くの人には、様々な能力が隠されている。
頼もしい。
僕等も、ある場に臨んで初めて、生まれるもの、手に入るもの、を信じていよう。
何かを無くしたら、そのせいで次の世界が膨らんでくれるかも知れない。
◎ノノ◎。
(・●・)
「 イチョウの葉を踏んで歩こう」