アーサおじさんのデジタルエッセイ76
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む 四角く広い運動場がある。それが何層にもなってビルになる。
1層が4メートルとして、110層になると、高度400メートルほどになるのだろう。
それらの運動場を横に並べたら、きっと大きな町である。人口で5万人ほど。
運動場は小さく仕切られてオフィスになっている。
しかし、ハニカムみたいにクショクショと柔らかい。31の日本企業がそのどこかにあって、活動していた。
旅客機が突っ込んだのは、その一部だが、それらの110の運動場は、たったひとつの土台に建っていたのだ。
ずし、ずし、と崩れ落ちる恐ろしさ。振り払われる蟻のように落ちる人々。
かつて、手塚治虫氏は、日本が太平洋戦争に突入する様子を、毎日ひしひしと感じた日々の恐ろしさを語っていた。
その高揚する恐怖感の一端を感じるような時間が、今過ぎている。平和な僕らの足の下にさまざまな「土台」があって、それを見ないことが幸せなのか、
愚かなのか分からない。
富士の測候所も解体され、槍ヶ岳の山小屋もおよそ30年ぶりに解体され、何もかもが建て直しのように思えるこの頃。どうぞ、きちんと立ち直りますように。
◎ノノ◎
(・●・)
「 NYにお住まいのかた、お見舞い申し上げます」