アーサーおじさんのデジタルエッセイ539
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む あまり情報がなく知らないことを書くのはいけないことかもしれないけれど、テレビに出て来て喋っているらしいからそれなりに意見を述べたい。
			 「原子力安全・保安院」(職員数およそ600人)のことである。
			それって何だろう。
			電気会社でもなく、国でもなく、普通の人でもない。
			でも、厳然と存在するから「原子力の安全を保つ」という役割を持つに違いない。
			そしてそんな図り知れない大仕事なので実入りも大きいに違いない。
			 昔、黒澤明監督の名作「用心棒」に強い侍が出て来た。
			三船敏郎のことだろうか?
			いやもう一人。昼間から親分の座敷で酒ばかり飲んでいる侍。
			何故いるのだろう?
			それは敵対するヤクザとの抗争が、いざ現実となった際に一役買ってもらおうということで高い給料を払い続けながら雇っている、腕の立つ浪人の武士である。
		

 さて、映画でも抗争が本当に始まった。
			 「先生いっ!お願いしますよ!」と眉間にしわを寄せた親分が襖を開けながら言う。
			「ウム」と刀を右脇と壁に立て掛けた先生は腰を上げる。
			そしてグビと酒を煽ると「ちょっと厠に・・・」と言い、なぜか裏口からスタコラ逃げるのだ。
			 おそらく彼はこう言いたかったのだろう。
			自分は組の安全のために必要な存在である。
			しかしほんとうに斬り合いが起こるとはとうてい考えなかっただけなのだ。
			 彼らの毎日は、どうしたら給金が上がるか、どうしたら出世できるか、立場が堅固になるか、でしかないのだ。
			それがアイデンティティであり、本当に腕を奮うなどとあれば、とても請け負えない仕事なのだ、と。
			 私たちはおそらくは敏感にその意思を嗅ぎ取ることが出来る。
			(原発事故の記者会見で)記者の質問に答える彼らのマイクは、まるで火のついた爆弾のように、急いで隣に渡されるのである。
			              ◎ノノ◎
			              (・●・)
			               
			          「また、お会いしましょ」 2011年4月16日更新