アーサーおじさんのデジタルエッセイ461
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む 深い川の流れの底に、砂金が埋もれているとしたら、それは人の心を動かすだろう。
			巨大な流れで、限りなく深く、少しも底が見えなければ、掬うことなど無理に思える。
			水を飲みに来た動物が立ち止まり水面を眺めている。
			それは砂金のせいではないのに、何か特別な意味があるようにも見えてくる。
			いつもオレンジ色に濁っていて、轟轟と音をたて底知れない豊かさに染まっているばかり。
			 砂金があるというのは、根拠のない噂かもしれない。
			 しかし、流れが穏やかになり、時に珍しく水が澄んでいる時間がやってくる。
			小さなボートを浮かべ静かに横切るとき、青い水底にチカチカと光るものがある。
			あ、やはりあるのかもしれない。
			そう思う。
		

 人は激しい成長の人生を送っている時に、何か自分を掴み、支えている底知れない物の存在をうっすらと感じることがある。
			それは悲しみである場合もある。
			何だろう?
			何が自分の奥に横たわっているのだろう。
			そして自分をどう支配しているのだろう。
			それは光るものを垣間見るときの謎である。だがそれを、殊更に意図的な力で浚渫する必要があるだろうか。
			その謎を暴くことは人生を変えるだろうか。
			その深さまで潜ることもできないだろう。
			その「悲しみ」の理由を誰かが教えてくれる日があるのだろうか?
              ◎ノノ◎   
			              (・●・)
          「また、お会いしましょ」  2009年9月20日更新