アーサーおじさんのデジタルエッセイ41
		
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		第41話 あわれ、成人式
		
		
		 成人式の会場で「出ていけ!」と騒ぐ若者と、高知県の橋本知事が悶着を起こした記事があった。
			
			僕は二つの腹立ちを感じた。?明らかな幼児的・暴走族的反発。自立ではなく、社会(大人)との対立にのみアイデンティティを求める甘えた行為。
			
			儀式は儀式ではないか。と同時にもう一つ、?なんという大人の側の甘え。
			「若造は黙って大人の長い話を聴くべき」という頑固さが見える。
		
		 深夜のNHKで老人の姿が映った。肺結核を患っていても召集礼状を受け、出征した日に熱を出し、殴られ、辱められて帰された。殴られて鼓膜も破れ、帰宅すると、出征の別れのために子供と妻は心中を図り苦しんでいた。
			
		
		
		
		「ネコイラズを飲んで、10日目に1歳の次男は死んだ」。そして東京空襲を生き延び、妻も亡き今は、自分史を残すことを仕事としている。
		
		赤紙(召集礼状)をもらった時、「こんな自分でもご奉公できるのだろうか、と考えました」と老人は言う。声も出さず泣く。
		
		冷酷な"お国"。
		
		それにもかかわらず"若者"は長い間この「お国」に黙って従ってきたのだ。自分の人生と哲学で行動を選び取るルールが、この国には無かった。今、その"ツケ"が来ている。
		
		 「あゆ」が演台から「イェーイ、みんな頑張ろうぜ!」と言えばいい。なにも大人が取り囲み、上官の訓辞のように "押し黙って聴かせる"必要はないだろう。テレビ番組だったら見てくれない。「国営放送」など、もう無いのだから。
		
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		         「またお会いしましょ」   2001年1月14日更新
		
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