アーサーおじさんのデジタルエッセイ392

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第392 先輩たちは、なぜ皆死ぬのか


 セルフサービスのカフェで坐り、窓の外を見る。
プラタナスが震えている。
思い起こせば、これまで数十年のオフィス生活。
自分を助けてくれた何人かの先輩達は消えている。
定年退職のことではなくて、もうこの世にいないのだ。
そういう人ばかりが、今思い出される。
若いのになぜ死んだのか?
 そんなことは分からない、もう訊けない、と思う。
どこにいるのか。
それも分からない。

じゃ、なんのために、ここでそんな長い間生きてきたの?
それは訊けたのかもしれないが、訊いたりはしなかった。
僕自身が、今訊かれたら、どう答えるのか。
だいたい適当に、言葉のアヤでとり繕うかもしれない。
喰うため。
つまんない答え。
ロマン、あほらしい。
誰かのため、まだヘンな感じ−−
所詮、結果論だろう。
なんだかんだ、わからないまま、探しているまま、生きている。
どちらかと言えば、この年になったこれからの方が探し易いのかも。
そうだ、そうなんだ。
これからだ。
自分で意識して生きる人生はこれからだ。
先輩たちも、きっとそう思いながら、関係ないプログラムが働いて、人生が終わったのだ。


             ◎ノノ◎。   
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2007年12月30日更新


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