アーサーおじさんのデジタルエッセイ370
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む 耳にアレルギーが起きて、痛くて医者に行った。
			医者の治療も恐いが、そこで耳に詰めた綿もやっかいである。
			いつものように職場にいると、周囲は気付かないので不自由がある。
			なにせ、片耳が塞がると話しかけられても聞こえにくい。
			綿がゴゾゴゾすると、目の前に煙幕を焚いたように世界を支配して騒ぐ。
			頭に響いてもう一方の音響にまで邪魔をする。
			障害者の気分が分かってくるようである。
			 とはいえ、数時間が経つと幾分か楽になる。
			片方の耳で聞き取る訓練が出来てくるからだろう。
			二日目には、さほど気にならない。
			ガサガサしているのは変わらないのに、聞き分ける時に五感がスクリーニングする。
			 そして耳が治ると、その記憶さえ忘れてしまう。
			人生なんて、そんなもんかとも思う。
		

 最近、アキレス腱を切った人が周辺に二人いる。
			どちらもスポーツの最中だったと言う。
			松葉杖である。これに慣れてくると、今度は松葉杖の後遺症が出てくるそうだ。
			使わない足が萎えて細くなったりする。
			足が歩くことを忘れるのだ。
			 今の私も、何か忘れていることがないだろうか。
			使わないせいで、機能を失いはじめているものがないだろうか。
			
			             ◎ノノ◎。
			             (・●・)
         「また、お会いしましょ」  2007年7月21日更新