アーサーおじさんのデジタルエッセイ31

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第31話 こんな夢を見た


 タライの中で12年以上飼っている一匹の亀が、突然卵を産んだ。勿論、それが卵であると分かるには手続きを必要とした。楕円形の白い石がタライの中にある、それだけだ。「誰だい、石を放り込んだのは?」。とりあえずタライの外に出しておいた。犯人は出て来ない。翌々日、もうひとつ同じものがある。しかしこれは割れていた。「もしかして?」。記憶を辿り、爬虫類学者にFAXを書いた。

 こんな内容だ。

『前略失礼します。 動物のことで、突然お伺いしたいことがあり、取急ぎFAXさせていただきます。うちに12〜13年前から飼っている亀(黒い亀)がいます。甲羅の大きさで20センチはあります。先週の日曜日、たらいの中に白い丸い石が入っていたので、「卵」ではないかと驚いた訳ですが、白い石にしか見えません。ごっとりと重いし、固いのです。質問です。? 卵ですか??こんなことは普通にあるのですか??この卵はどうしたらいいのでしょう? 取急ぎ、お時間ありましたらお教えくださいませ。 敬具』

残念ながら、返事は来なかった。

 電気に透かすと、半透明に透き通る。何日か過ぎると表面の色に斑に変化が現れたので小さな庭の端に埋めた。そして、これは夢ではなく、実話である。

 このままなら白日夢として記憶に保管されるだろう。13歳のシングルの亀と、彼女の手のひらの2倍ほどもある卵。彼女の人生のどこにそんなものがプログラムされていたのか。人も人生の後半に大きな卵を産み出すのだろうか。


             ◎ノノ◎ 

           ゜(・●・); 

         

 「僕は卵産むのかなあ?」 2000年10月19日


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