アーサおじさんのデジタルエッセイ223
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進むイギリス人はユーモアを好む、あるいはユーモアに生きると言われるが、サラリーマンの後半、とりわけ窓際の年齢の紳士の半分は、ユーモアに生きている、ということもあるのではないだろうか。
まあ、こちらは「駄洒落」と言うべきかもしれない。
俳人が俳句のことばかり考えるように、一日中、駄洒落を競っているようである。
周囲に受けると喜び、受けない場合も、また喜ぶ。
そういえば、東北大の教授と千葉県の田舎の駅でのこと。
教授はむちゃくちゃな駄洒落屋で有名だった。
地域活性化の巨大なフォーラムで、聴衆に向かって「ホームレスの人たちもインターネットで発信したらどうでしょう。
ホームレス・ホームページと言うわけです。」などと豪語するほどの人であった。
で、田舎の駅の昼間のホームでのこと。
ひと気もないのに、たくさんの提灯が下がっていた。
「どうして提灯を下げているのでしょうね?」と教授が言う。
みんなが、ふーんと反応できない。
ややあって私は「デントーでしょうね」と答えた。
すると居合わせた全員が、完全にフリーズした。2秒ほど空白があって教授が振り返り「ス・ゴ・イ!」と私に言った。
私は、あわてて「ち、違います!洒落じゃないんです!」と言ったが、それ以来教授を取り囲む“名人”の一人に加えられたように思う。
この人の前では、もはや普通の会話をすることのほうが難しかった。
「また、お会いしましょ」 2004年7月25日更新