アーサーおじさんのデジタルエッセイ191
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む人体の中にはよほど沢山の同居人がいるらしい。だいたい「消化」という行為が、その沢山の同居人任せだと言える。胃にはピロリ菌がいるが、これはまあ不法滞在者だとしても、腸内には「消化酵素」としての菌がドッサリ住んでいる。このせいで腸は重く垂れ下がっているのではないかと思うくらい。酒、ワイン、納豆、チーズ、塩辛、などあらゆる醗酵食品もこれと同様の、醗酵菌によるアウトソーシング(外部発注)で行われる。美味しい味になるのを“醗酵”、まずくなったり毒になる時に“腐敗”と呼ぶようだ。パンダが笹を食べれるのも、お腹に特別の菌があるからなんだと最近分かった。これで繊維の分解が進むので、エコロジー流用の研究が進んでいる。
そして腸内には長いこと契約を交わしている同居人が100兆ばかり居るということだ。これらが毎日の摂取した食品を砕いて腸壁から吸収できるようにしてくれる。100兆ものバクテリア(細菌)が集まると、1.5キログラムほどにもなるらしい。体の細胞が60兆個らしいから同居人はもっと多いわけだ。働いて疲れ、倒れた菌が、毎日、食品滓と一緒に排出され、水に流されて行く。選手交代だ。関係ないが、サラリーマンも似たようなものか。
「また、お会いしましょ」 2003年12月7日更新