アーサーおじさんのデジタルエッセイ145

日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む

第145話 美しい身投げ


目の前に黒々と、そして広々と夜の大都会の夜景が広がっている。左から右のほうへ風が吹き抜けて頬を撫でる。そこへ僕は身を投げている。四肢を広げて空中を舞う。夜景が揺れる。なんてきれいなんだろう。

この光景は、頭の中で、日曜日の夜に付き纏う。月曜日の夜に150名程の夜の会合があり、そこで最後の挨拶と締めをやってくれと言われてしまったのだ。

適当にと言われても、アドリブでと思っても、ふと浮かぶその宿題。う〜ん。

やっぱり受けなくとも、責任は重大だ。中盤の催しでは大勢が参加し、仕込みも若者達のエネルギーが掛かっていると聞く。テーマは『新しい』ということ。

新しいオフィスを祝うことも兼ねている。

せっかくの休日がこうやって萎えていく。ストレスでもあり、名誉でもある。

パソコンが演算中でフリーズしたみたいな立ち止まり感覚。ま、テキトーにいいか。と思いつつ会合での地中海料理は味がしない。エラい人たちは最初に挨拶して、あとは飲んで食って楽しそう。ワインもビールもたいして飲む気がし

ない。こんな事がサラリーマンの小さなエポックであり、悩みと楽しみである。

「よ!」と声も掛かって、どうにか終わる。おもしろかった、と誉められもする。飲み直したいと思っても疲れ果てているみたい。外はきれいな夜景なんだろう。

    

             ◎ノノ◎。
             (・●・)。。

       「また、お会いしましょ」 2003年1月26日更新


日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む