アーサーおじさんのデジタルエッセイ126
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む雨がたくさん降って、空が晴れた。傘をたたんでオフィスに登る。
		
地上100メートルの展望の真下は、大きな川である。数日降り続いた雨が生んだものはなんだろうか。濁ったオレンジ色の川面。
			見下ろすと、目の前に迫る喫水線が違う。いつもの100メートルの地上までの距離が、いきなり半分になったように、迫って来るのだ。
			
			大きなタライに水を張り、「ハイ!」と手渡されたかのように、たっぷり、トップリと揺れている。しかもそいつが、カボチャの断面の色をしている。遠くから運ばれた泥の絵の具。
		
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			あの水量を染めるには巨大な量のカボチャ色の絵の具が絞り込まれなければならない。美しい色。
		
上流には大量の絵の具のチューブが捨ててあるに違いない。その「カボチャスープの柔らかな氷河」の下には、何かが眠っているのだろう。
			
			絵の具と一緒に何かが流れ出したかもしれない。眠りこけた大きな象が6匹は流れているのではないか。
			
			水牛かもしれない。水牛はベトナムか。この水はベトナムから流れて来たのかもしれない。
			
			一旦は、暑いモンスーンの空に舞いあがり、まとまって落ちて来た。それゆえ、ベトナムの色、あるいはカンボジャの色をしている。
		
ようこそ、日本へ。
			
		             ◎ノノ◎
		             (・●・)
			
		
       「また、お会いしましょ。」 2002年9月1日更新