アーサーおじさんのデジタルエッセイ116
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進むスペインが先制点を入れた。僕は次にアイルランドが点を入れてくれないかな、と考えた。
スペインを応援しているからだ。スペインは『大丈夫』だと思うからだ。
1−1の同点で終了、延長戦へ。次は、なんと先制ゴール国が勝利となる「ゴールデン・ボール」である!延長戦が始まると、アナウンサーが変な声を出す。「スペイン、どうしたんでしょう?
一人足りません!怪我をしているようです。交代は全て済んでいますから、この一人足りないメンバーで戦わなければなりません。
非常に不利です!」え!それはないだろ。スペイン、1トップで戦うのか?既に90分走り回ったあとの、延長戦を、メンバー交代なしで30分、切り抜けられるのかしら?!でも、アイルランドは点を入れられない。
30分を走り抜けた。皆、倒れ込んでいる。さあ、PK戦だ。再び互角に戻った。
5本、5本の最後で、シュートを決め、スペインが勝利。あーーー、面白かった。
(ヒヤヒヤ)
大河ドラマの脚本家、ジェームズ三木さんは、ドラマを面白くするのは「桎梏(足かせ)」、「葛藤」であると言う。
「武田と上杉」の戦いを面白くするのなら、いずれもが拮抗する「葛藤」を視聴者に与えることだ。
「葛藤」を与えるのは、“簡単だ”、と言う。両方の側を、等しく、詳しく“語る”だけだ、という。それで両方に情が移るわけである。
成る程。僕等がある国を応援するのは、利益共同体だからではなくて、「情報が多い」からだろう。
日本を応援するのは「日本の情報が一番多い」ので、感情移入できるのだ。(うーん、当たり前だが)訳あって、知っている国は必ず応援している。
スペインが勝利する途中、アイルランドの応援席のおじさんがTVに映る。
やっと1点が入った時に、カメラを向いて泣いている。PKでシュートをミスったアイルランド選手の、少年のような頭を抱いて慰めるコーチが映る。
白いユニホームが皺くちゃである。あ、しまった。こんな光景も見せちゃあ(胸に応える)、困っちゃうなあ・・。僕がスペインを応援するのは、語学を習っているからだ。スペイン人の知人もいるからだ。中津江村のおばあちゃんはきっとナカタよりもカメルーンの選手を応援するのだ。
ところで、語学はスペイン語が便利ですよ。何故なら、イタリア語やドイツ語だと、リーグ戦で負けたら、もう応援する国がなくなるでしょう。
でも、スペイン語だと、ブラジル以外の南米はほとんどだから、結構応援できますよ。今回は7カ国も出場しているから、どれかが残る。応援に事欠かないというわけ。
「また、お会いしましょ。」 2002年6月23日更新