アーサーおじさんのデジタルエッセイ395

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第395 しっぽ


  小さな子犬を注文して待っている。
犬がどこかへ消える。
どんな種類の子犬だったかもよく分からない。
 そんな夢を見た。
ほかにも一連の場面がくっついていたはずだ。
けれども思い出せずに、その(おそらくむく毛の茶色の)子犬がやって来ないことだけが残っている。
忘れたことは重要ではなく、覚えていることだけが重要なのだろうか。
そうでもないのかもしれないがしかたがない。
都合のいいことだけが残るのかもしれない。
そうすると、子犬の記憶は「都合のいい」側にある記憶なのか。
あるいは、忘れがたい好みのイメージなのか。

 夢はその引力で夢主の胸に残り、無理やりに何かを喚起させようとしているようだ。
そこに「私を思い出してくれ」と言わんばかりの存在理由を持っているようだ。
子犬は未来に対するささやかな期待。それを注文している自分はもうすぐそれが近いことを待ち望んでいるのか。
しかし、実際は依然かたちが見えない。
あるいはまだやって来ない。
それは柔らかく、暖かそうなむく毛の印象をしている。
肉体的な、家族的なものだろうか。
現実の側に取り残されたわたしは何をすればいいのだろうか。


             ◎ノノ◎。
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2008年1月20日更新



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