アーサーおじさんのデジタルエッセイ303
日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む 天才は、人として「欠けたところを持っているから生まれる」と言う意味のことを、村上龍氏が言っていた。
天才でなくとも「欠けたところ」があるし、それで何かに打ち込むことはある。
その努力がうまく成功すれば、天才にもなれるかもしれない。
そういう成功の仕方をS.フロイトは「昇華」と呼んだ。
昇華は「防衛機制」の一つである。
自分に解決ができない状況で人が苦し紛れにとる行動である防衛機制は、10の種類になるとフロイトは分けた。
今でもこれは使われている。
西暦1900年ごろの研究である。
かくして決して天才になれない人はいる。
逃避、抑圧、投影、同一視、反動形成、合理化、補償、置き換え、摂取、よろしいのは昇華のほかは補償だけだろうか。
でも、成功する必要など必ずしもないだろう。
長い時間を掛けて、克服したらよろしい。
内面を見つめ、欠けている場所を修復することを考えたほうが、精神衛生上はいいだろう。
ガラス窓の内側で冬の日向ぼっこをし、心を暖めながら考えよう。
傷ついた自分をよく見つめケアをしていこう。
老猫がそのお供をしてくれるかもしれない。
「また、お会いしましょ」 2006年2月26日更新